種類:豆腐 場所:ウィンザー (カナダ) 価格:C$1.29 |
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海外で一般的な日本の食材として,いろいろあるが, その中の一つに豆腐があげられる. たいていどこのスーパーにも売ってるし,味はまあまあ. お値段は一丁1ドル程度からある. レストランでもベジタリアン用の料理ではよくお目にかかる. 例えば,中華だと厚揚げの炒め物がでてきたりする.そんなわけで, 豆腐はもうすでに カナダの食卓に入り込んでいるといっても,過言ではないだろう. 今回,紹介するのは,そんなカナダの食文化に存在する豆腐. その名も,tofu 2 go (very Berry, flavoured Dessert Tofu)だ. 簡単に言えば,ストロベリー味の豆腐である.tofu 2 goは面倒なので,以下, デザート豆腐と呼ぶことにしたい. さて,この豆腐.上でも書いたが,種類はデザートに分類される. ここで頭に?が浮いてきた人は,思い出して欲しい.他にも 豆腐と名がつくデザートがあることを.そう,杏仁豆腐である. 杏仁豆腐という存在が,このデザート豆腐の存在を認めるものとなりそうだ. …しかし,そこには大きな問題点がある.杏仁豆腐は玉子豆腐のようなもの.すなわち 豆腐と名はつけど,大豆は使用されていない. では,このデザート豆腐の原材料はというと…certified organic soybeans(品質保障有機大豆),そうしっかりと 大豆を使っている豆腐の名に恥じないデザートなのである.と,よく見たら,裏の原材料を見なくても, 表のパッケージにちゃんと書いてあった.豆腐を前面に押し出していることがわかる. 正直,杏仁豆腐のように,名ばかりの豆腐の方が外れないような気がするのだが, しかし,よく考えれば,日本にも甘い豆乳は売ってるわけだし, 豆腐ドーナッツだってある.大豆を使ってようが,おいしいデザートは存在するはずなのだ. と,上の文章を書いていて,大切なことに気づいてしまった.そう,僕は 豆乳がそれほど好きではない.飲めないことはないのだが,200mlのパック1つが 限界だ.もし,この豆腐が豆乳系だったら….気にしてもしょうがない.さっそくパックをあけた. おぉ,甘いイチゴの香りが漂ってくる.正直おいしそうだ. 小さいながらもご丁寧にスプーンもついてきている. 色はにごったピンク色だ.香りに気分をよくしながら,蓋をめくった. スプーンを入れると,すぅと入る.まさに豆腐.プリンやゼリーといった ものが見せるわずかな抵抗も,これは示さない.香りはパッケージを開けたときほどではないが, それでもイチゴの香りはある. さっそく口にいれてみた.…あ〜,なるほどね.これは豆腐だ. 豆腐以外の何者でもない.ほのかな甘さと,イチゴの味が 認められるが,しかし,後味は確実に豆腐そのもの. 口に入れた瞬間,頭に思い浮かんだこの豆腐のお手軽再現法は, 豆腐のイチゴジャム添え.イチゴは生ではなくジャムのような感じがした. まあ,興味がある人は,やってみていただきたい.なお,僕は一生することはないだろう. 香りもイチゴを感じられるが,あっという間に, 豆腐の香りと混ざる.そして,このイチゴと豆腐の香りは, 混ざることなく独立して存在し続ける.ただ,豆腐>イチゴの方式は成立していると断言していい. まさに,豆腐メインのデザートといえる代物である. 看板にいつわりはない. が,しかし,これが旨いかといえば,答えに困ってしまう. 甘さはちょうどいい.カナダ人なら甘くないといいきると思われる やさしい甘さ.日本人好みといえるだろう. ただ,普通に豆腐を食べたことがある人ならわかると思うのだが, 豆腐そのものってそれほど,食べられるものでもないのだ. 味噌汁,冷奴(醤油味)などとしてあるから,おいしいのであって, 純粋な豆腐の味って,けっこうきつい. 豆腐>イチゴの関係のこのデザート豆腐.味わおうとして口に滞在する時間が長いほど, 豆腐の力が増していく.すなわち,美味しくなくなっていく. まあ,カナダの砂糖漬けのデザートに飽き飽きしたならば,たまにはいいかもしれない. このvery Berry味以外にも,Peach Mango(ピーチ&マンゴー)なるものが 棚に陳列していたのだが,おそらく手に取ることはないだろう. 豆腐はやはり,デザートなんかとして出てくるものではない.そんな風に感じた一日だった. |