新たなる町へ

サンプリングが順調に終わっていき
とうとうCentury Mineを後にする日がやってきた.

次の行き先は,Mt.Isa(マウントアイザ)

実のところ,到着して2日ほどヒマがあるのだが
それをCentury Mineの人にいったら,
マジで?やることなんもないよ〜
といわれた町である.

やることがないとはいえ,
陸の孤島,センチュリーよりはマシだろうし
なにより地球の歩き方にもわずかながら
載っていたりするのだ.

センチュリーからマウントアイザへは
センチュリーに来たとき同様に
鉱山会社がチャーターしている
飛行機に乗っけてもらった.

タウンズビルからセンチュリーのチャーター機は
普通サイズの飛行機で,僕のチャーター機の
イメージを大きく上回っており,
今回マウントアイザにはどんな大きさなんだろう?
と心なしかドキドキしてくる.

共同研究者の人は仕事があったので
一人で…といっても,送迎マイクロバスが
飛行機の到着時間にあわせて,
飛行場と居住地を往復するので,それに乗っていく.

当然だが無料だ.

飛行場でチェックインを行なう.

空港とはお世辞にもよべないもので,
飛行場という響きのほうが似合っている.

ベンチがあって,
カウンターがあってトイレがある.

最低限の設備だが,それで十分.
なにせ企業の施設なのだから.

チェックインも至極簡単なものだった.

名前を言って,荷物の重さチェック.
続いて,体重計に乗り,自分の体重を量る.

これで,おしまい.

荷物のX線検査なんてものはないし
金属探知機のゲートもない.

仕事場から家に帰るだけで
飛行機に乗るのは基本的に
鉱山会社の人間のみ.

ハイジャックなんて起こる可能性は
限りなくゼロに近いだろう.

金網の柵があるのだが
その柵を越えてすぐ向こう側は
滑走路.

そこを普通サイズの飛行機が
離発着するのは圧巻の一言.

恐らく生涯であれほど近くで
飛行機の離発着を見るのは
あれが最初で最後だろう.

ちなみに,この日も
タウンズビルから飛行機がやってきていた.

来た飛行機は帰りの飛行機に早変わりで
飛行場にいた人たちの大部分が
それに乗っていってしまった.

あれ?なんだこの人の少なさは.
と思っていると,小型飛行機がやってきた.

うん?と思っていると
○○行き〜とパイロットさん自らが
呼びにきて,そこに行く人がついていく.

だいたい5人ぐらい.

もしかして自分が乗るのもあれぐらいか?
と思いつつ待つも,なかなか来なくて不安になってくる.

出発時間を示す電光掲示板なんてあるわけでもなく
かといって,ぼけ〜としていて,乗り込めなかった
というわけでもなさそうなので,ぼんやりと
目と鼻の先で離発着する 飛行機に目をやる.

しばらくして,マウントアイザ行く人
という声がかかり,その後,乗客の名前がよばれていく.

もちろん僕の名前もよばれたので
ハイハイとついていった.

パイロットの後をついていった先にあったのは
小型の飛行機.

タウンズビルから来たときに乗っていた
飛行機と比べものにならないほどだ.

パイロット含めて8人乗り.

今回のマウントアイザへの飛行は
満員となっていたのだが,ここで
体重を量った理由がなんとなくわかった.

重量制限があるんだろう.
8人乗りで8人乗るとあっては
けっこうシビアなのかもしれない.

荷物と人間の重さを量って
万一オーバーということがないように
したのだろう.

席は自由.

狭い入り口を通り
席に着き,シートベルトを締めたら
準備完了.

センチュリーに別れを告げ
いよいよマウントアイザに出発となった.

emu@century
野生のエミュー(Century Mine にて)

 

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