ある1日−日中

朝ごはんを食べ,ミーティングをしたら
いよいよサンプリングの開始.

まずは車で,例のお酒検問所を通り抜け
職場へ向かう.

だいたい着いて1時間ぐらいはのんびりと.

というのも,共同研究者の人も
仕事があるわけで,まずはその人の仕事が
終わるまで,僕は論文などを読みつつ
時間を待つのであった.

向こうの仕事が一区切り付けば
ようやくこちら出番.

サンプリングの予定を話し
その日の計画をたてて,出発.

露天掘りの中でサンプリングをする場合もあるし
郊外へ出かけることもある.

Open Pit
露天掘り

その日の目的と鉱山開発の予定などとの
兼ね合いでいろいろ変化してくるのだ.

とはいえ,どっちにしろ現場へは
共同研究者と一緒に行くわけで
その辺は,完全に共同研究者まかせ.

僕がたとえここに行きたいといっても
都合が付かなければいけないわけだしね.

例えば,露天掘り内で作業をしていたとき
堀の一部の崩落が起きた.

崩落箇所は作業していた場所から
けっこうはなれていたけれど,安全面の問題から
全作業員は退避.

安全が確認されるまでそこでの作業は
不可能となってしまったこともある.

ただサンプリング自体はけっこう
うまくいき,上に書いたトラブルも最終日だったので
ほとんど影響はでなかったけれど.

サンプリングにかかる時間は30分から1時間ほど.

適当な箇所をみつけたら,コンパスを使って
方向付けをして,のみとハンマーで方向付けを壊さないように
試料(岩)を取り出すのだ.

この方向付けが一番の肝.

これを間違えた瞬間,試料は単なる岩と化し
サンプリングは全てムダになってしまう.

このサンプリングは,初めて自分1人での
サンプリングで,大学で教授から特訓を受けたとはいえ
最初はかなり緊張した.

が,ガチガチに緊張したのは最初だけ.
最後のほうはなかなか落ち着いてできた.

サンプリングにかかる時間は,露天掘りでも郊外でも
それほど変わらなかったが,移動時間を考えたり,
サンプリングする箇所の選択を考えるならば
郊外のほうがなかなか難しかったと思う.

どっちにしろ日陰がまったくない炎天下の中の
作業となるので,水を頻繁に取らないと冗談ではなく
脱水症状の危険性がある.

そのため,各オフィスには冷水器と業務用の製氷機が
おかれていて,作業員,トラックの運ちゃん
みんなでっかい水筒にそれらをつめ,水を頻繁に
とることにしていた.

僕もそれを貰ったり,ペットボトルに
詰めたりしてもっていった.

outback
アウトバック

だいたい10時から11時ごろに午前中の作業はおしまい.

早いように思えるかもしれないけれど
朝食を取ったのは早朝の5時前後.

6時半には仕事が始まっているので
そう考えるならそれほど不思議でもないだろう.

オフィスに戻って,朝準備をしたお弁当を
冷蔵庫から取り出し,モシャモシャと食べるお昼休み.

再び共同研究者は自分の仕事に戻り
一段落着いたら,午後のサンプリングへ出発.

14時,15時に戻ってきて,僕は取ってきた試料の
整理をし,向こうは,仕事に戻る.

18時過ぎに向こうのシフトが終了するので
それにあわせ再び車で居住地に帰るというわけだ.

1日の作業はこれでおしまい.

シャワーを浴びてリフレッシュといくのだった.

 

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