6日目-午後(ミュンヘン)

 まずは聖ピーター教会(St. Peter Kirche)へ.ここはミュンヘン最古の教会. 塔の上までいけるが,その前に中をみる.教会らしく厳粛な雰囲気.でも嫌いじゃない. だれもが静かに内部を見学している.ゆっくりとそしてのんびりと見学できる. ここの見所は聖ペトロス像と4人の聖人像.

 中の見学が終わったら,いちど外に出て,塔屋の入り口へ. お金を払い,塔の上を目指す.294段あるそうだ.お互いに譲り合わないと 進めない狭い階段をひたすら登る.さすがに休憩まではいらないが, いいかげん疲れたころにようやく着いた.

 うわぁ.ミュンヘンの町並みが眼下に広がる.レンガ色の建物が並ぶ 街の中央部.そして駅の南側は対照的に黒い.観光地じゃないからか? たぶん工業・産業地域なんだろう.メリハリがあっておもしろい.そして, 新市庁舎の全体がばっちりと見える.しばらく眺め,下に降りていった.

ミュンヘンの街並み
ミュンヘンの街並み

 294段を上ってきたということは,それだけおりなくてはいけない. 上りほどほどきつくはないが,疲れる.ようやく下界に下りてきた. そのまま,マリエン広場(Marienplatz)に行く.さきほど教会の上から眺めた 新市庁舎(Neues Rathaus)が目の前にある.美しい建物だ.ここにはドイツ最大の仕掛け時計 があるのだが,残念ながら11時,12時だけ(3月〜10月は17時にも). ミュンヘンはまだしばらくいる.そこで,観光を続けることにした.

新市庁舎の塔     新市庁舎
新市庁舎の塔              新市庁舎       

 さて,この新市庁舎にも高さ85mの塔がある.なんとかと煙は高いとこが好きというが, 僕もそれにもれることなく高いところが好きである.そこで,さっき教会に登って ミュンヘンを一望してきたばかりだというのに,またまた塔に向かった.

 値段は3ユーロ.たしか聖ピーター教会は1.5ユーロだった気がするから, 2倍だ.でも,そこには大きな違いがある.こっちはエレベータだ. あっという間に,上についた.

 街並みはかわることがない.あたりまえだ.わずかに数十メートルほどの距離で がらりと変わるわけがない.しかし,ここには来る価値がある. 地上からだと見にくい,聖ペーター教会の全体がばっちりと見えるのだ. さっきはあそこからこっちを見ていたのかと思うとなにかおかしくなった.

聖ペーター教会     フラウエン教会
聖ペーター教会         フラウエン教会

 もう一つ,ここからよく見えるものとして,フラウエン教会(Frauen Kirche)がある. 1468年に建てられた南バイエルン教会圏の主教会.ネギ坊主のような2つの塔が特徴だ. ここは中を見てみたかったのだが,11月〜3月はお休みというなんともいえない 制度をとっている.冬はみれないらしい.そのため,その特徴ある姿だけでもと思い, 新市庁舎の塔から写真をとった.

 再びエレベーターを使い下界へ.土産物屋などを覗きながら, 宿の方へ歩いていく.そして,その途中で,聖ミヒャエル教会(St. Michaels Kirche)による. この教会はルネサンス式カトリック教会で,1597年に完成したそうだ.

 バカでかいという文字がぴったりの教会.しずしずと中に入って見学. どこの教会でもそうなのだが,熱心に祈りをささげる人がいる. ジャマをするわけにはいかない. 壁にそっていろいろ展示してあるので,ゆっくりと一通り見てまわる.

 この教会は,ただ見てまわるのもよいが,もう一つ見所がある. 地下だ.聖堂内の東側にある階段を下りると,入り口があり,そこで入館(見学?)料を払う. タダだとばかり思っていたら,お金を払う必要があるのだ.

 さて,何故タダだと思ったのか?それはそこには墓があるだけだから. ガイドブックにはヴィッテルスバッハ家の君主30人が葬られている.とある. 人の墓を見るのに金がいるわけないだろ?と思っていたが,どうやら甘かった. 観光地なのだ.

 それでも,金を取られたぐらいだし,なんか博物館みたいになってるかと 期待したのだが,その期待は裏切られた.…棺しかない.棺のそばには,誰の棺か説明が あるのだが,ドイツ語のみ.やってられない.何もわからない.いやわかる.その説明の中に, 一つだけどこかでみた顔が.そう,これを見に来たのだ.あの白鳥城といわれるノイシュヴァンシュタイン城を建てた ルートヴィヒ二世の棺.でも,棺.なんもおもしろくもない.狭い部屋に棺があるだけ. こんなのに金を払ったのかと思うとなんかむかついてきた.

 普段は人のお墓をとるという行為は控えているのだが, このまま帰るのはあまりにも悔しい.そこで,ルートヴィヒ二世の棺を写真にとる. と,それを見かけたおじいさんが僕に近づいてきた. …なんだ?ちゃんと受付に写真をとっていいか訊いて許可を取っているぞ! と思うも,べつに注意しに来たわけでないのは,その笑顔が物語っていた.

ルートヴィヒ二世の棺
ルートヴィヒ二世の棺

 やや荷物などに警戒しながら不思議な顔をしていると,陽気に話しかけてきた.それもドイツ語で. いやいや,ドイツ語はわかりませんと英語でいうも通じてないみたい. しょうがない.矛盾してるから言いたくないのだが,ドイツ語でドイツ語は話しませんというも, わかってる.といいつつ,話をやめないおじいさん.

 どうやら,ルートヴィヒ二世の,しかも棺の写真を撮っている僕が よほど二世に興味があると思ったらしい.そこで,一生懸命,二世について 説明をしてくれてるようなのだ.でも,ドイツ語.ごめんなさい. ホンキでわかりません.一通り話し終わると満足したように,おじいさんは 棺の見学に戻っていった.僕は飽きたというか,来た瞬間から飽きているようなものなので そうそうに部屋をあとにした.

 宿に戻る.宿は駅のすぐそば.4 you munich というユースホステル.といっても,バックパッカーズと いったほうがいいだろう.ユースホステルの会員証はいらない. 一泊19ユーロぐらい.朝食代は別だった.ベッドは綺麗だし,ロッカーもでかい. とここで,注意.どこのユースホステルもそうだが,南京錠を持ってくること. 鍵は自分で用意するのが基本です.

部屋
部屋

 荷物を置いて,夕飯を食べに行く.ただ疲れていたこともあって, あまり遠出はしたくない.適当に近くをぶらついていたら,パブみたいなお店を発見. なかなか混んでいる.まあ,外れることはないだろうと,その店に入った.

 まずは基本のビール.Feinstes Munchner Lagerbier というものを頼んだ. ミュンヘンと入っていたから頼んでみたのだ.そして,ちょっと贅沢にスープを頼む. Leberknodelsuppeというレバーで作った爆弾のごときでかさの肉団子が入っているスープ. そして,そうここにきたら是非とも食べてみたかったミュンヘン名物の,wiess wurst. その名の通り白いソーセージ.午前中に食べるもんで,基本的に夜にはないそうですが この店にはありました.たぶん観光シーズン外+中心からちょっと離れているという ことでしょう.

レーバークネーデルズッペ    白ソーセージ
レーバークネーデルズッペ          白ソーセージ   

 基本的に料理という料理ではないので,店が混んでるにもかかわらず,すぐに料理が 出てくる.いいことだ.まずはビール.普通に飲みやすいビール. そして,スープだ.コンソメに肉のうまみが加わったおいしいスープ.では,肉団子は? …うん.レバーの味がする.レバーは大好きなので特に困ることはないのだが, レバーが嫌いな人は食べない方がいいだろう.スープにはハーブが入っているが,団子のにおいはレバーそのもの. 肉団子からレバーの香りというのは,日本でお目にかかることはなさそうで, ちょっと不思議な感じだ.

 さて,スープを食べ終わると,来ました.白ソーセージ. お湯をはったでかい器ででてきて,目の前で皿に移してくれた. さてそのお味はというと…なんかびみょーだ. なんなんだ?普通のソーセージのプリプリ感がない. むにゅっとした感じだ.そして,肉のうまみはあんまり感じない. ハーブ系の味が強い.ハーブは苦手だ.なんで,2本というのは食べてて気持ち悪くなってくる. いや,ちゃんと食べましたが.もう一度食べたいとは思わないな.

 ほろ酔いで,宿に帰り,シャワーをあび,翌日の行動を考えながらベッドにもぐりこんだ.

 

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