大学(大学院)の選び方

 大学の選び方としては,まず自分が何を学びたいかをしっかりとさせることが 重要です.さて,何を勉強するか決めたら,大学選びです. 本などもありますし,そこで自分がやりたいことができる大学を選ぶことから 始める必要があります.大学の名前で決めることはさけましょう.

 カナダの大学は名前が売れてる売れてないなどありますが,基本的にレベルの高い 教育が期待できます.特に大学院になるとそうだと思いますね.例えば僕が通っている ウィンザー大学.知っている人はいないと思いますが,ここの地球科学科の大学院の 教育レベルは高いです.例えば

---以下引用---
I have just learned that OCGS (Ontario Council of Graduate Studies) has approved our graduate program as "Good Quality" (the highest ranking)
---ここまで---

というメールが最近,学科長から来ました.このような情報はあまり日本では 入手できないと思います.なので,自分がやりたい研究があるところを選ぶのを 最重要視することをオススメします.

 それでも,大学をどこに行ったらいいかわからない!という人は, カナダ大使館のカウンセリング(大学・大学院)を受けてみてはどうでしょうか? 事前予約が必要ですが,親身になって相談に乗ってくれます. もちろん自分のやりたいことは決めておく必要はありますけどね.

 ここから下は,大学院を中心に話を進めて行きます.僕が大学院に留学しているためなので, 大学に関してはまったく知らないためです.研究をする大学院では大学とは異なると思います.

 僕の場合は,自分のやりたい研究分野がすでにあったので,それを研究している カナダの大学をほぼ全て調べました.その中で,自分のやりたいことを行っている教授を 調べます.また,研究設備に関しても重要です.そのようにしぼったいくつかの大学に いよいよ連絡を取ります.

 担当の方にメールをして,そちらの大学院のプログラムに興味があると伝えてもいいですし, やりたい教授に直接メールを出してもどちらでもかまいません. 僕は後者の方を好みました.なぜならば,その教授のもとで研究したいから.

 さて,どんなことを教授と話したらいいかのでしょうか? これに関しては,University of Torontoの物理学科に非常に参考になる項目があるので,引用します. もちろん英語ですが,大学院に行こうと考えている人がまさか読めないというか, どうせ英語で訊かなければいけないことですので.

---以下引用---

  • Is the professor taking on new students?
  • Would I work on my own project, or on the professor's?
  • How many students are currently working for the professor?
  • How many students have graduated under the professor in the last few years?
    Where are they now?
  • How long does it typically take for a student to graduate under the professor's supervision?
    What is the funding policy in the group, especially after year five?
  • What conferences would I have the opportunity to attend?
    Which of your students have recently attended conferences?
  • Would I have the opportunity to publish papers? Who is typically first author?
  • What is the source of the professor's funding?
    How stable is it?
    Are the resources sufficient and available for the work I want to do, especially if it is a new project?
    How are resources shared in the research group?
  • Is the professor retiring soon, or leaving for an extended period?
  • Would I be required to travel abroad? How often and for how long?
  • What prospects would I have in this line of research after I graduate?
---ここまで---

 これらは遠慮せずどんどん訊きましょう.知らないばかりに不利になることがあってはつまらないです. 恥ずかしがっていたら,留学なんてできませんよ!

 一部の解説です.自分が研究したい教授がいます.でも,とってもらえない可能性があります. それは教授の研究費が少ない場合.つまり,学生の資金援助ができない場合, 教授側が断ってきます.これは非常に重要です.実際,ある大学の教授からは今年は研究費があたってないから, 残念だけど学生は取れないと言われました.

 アメリカなどはお金をもらえないケースが 多いとききました.カナダの場合,たいてい資金援助をしてもらえます. 俗に言うRA(research assistant)で,たぶん指導教官の義務だと思います. もちろん,このRAとは教授によって,値段が異なります.そこは教授と話してください.

 あとは退官するかどうかも重要になってきます.つまり,その後どうなるか? トロント大学の場合,退官した教授は学生を取れないことになっています.つまり, 専門分野を変える必要があるわけです.これは僕がトロント大学を諦めた最たる理由でした. ウィンザー大学の場合は,退官後も学生をとることができます. これは大学ごとに異なると思うので,確認する必要があります.

 さて,教授には以上のことを聞いて,それで終わりかと言うと,まだやることがあります. それは学生にたいする質問.つまり,研究生活がどんなもんなのか?ということです. 教授は研究そのものの説明をしてくれますが,実際にそれがどうなのかは,学生にきかないとわかりません.

 あとは,教授の人柄を訊いておきたいですね. これは僕は最も重要だと思っています.どんなにやりたい研究でも,修士なら最低2年は顔を 毎日あわせる教授の性格が最悪だと続きません.かならず学生にききましょう.

 ただし,大切なことがあります.学生の意見は学生の個人的な感情なり考えに左右されます. 一人がそういったからといって,それを鵜呑みにすることは危険です.といっても,全員がいったら, 信じてもいいと思いますが.

 大学院で日本と同じ分野に進もうと考えていると,ある程度その教授に関しても情報が入ってくるはずです. そこの学生だけでなく,いろいろな人にその教授の性格などを聞いてみるのも手です. crazyやdifficult personと言われたら,そこでやりたい研究があろうが, 僕は別の教授を探すことをオススメします. 本当に大変ですから.経験者は語るです.

 メールだけでなく,願書提出前に一度研究室に遊びにいけたら一番いいと思います. 直接会わないとわからないことは多いです.それは装置に関してもいえます. 実際に動いているのかどうか?どれほど頻繁に使えるか?なども確かめたほうがいいですよ. 日本に2台しかないという装置があっても,使えない某研究室のようなことも起こりえます.

 

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