4日目-午後(移動)

 旅の疲れは確実にあり,シャトルバスに乗って, しばらく風景を眺めていたつもりだったのだが,いつのまにか 寝てしまった.目が覚めると,行き同様,橋の手前に差し掛かったところだった.

 プリンス・エドワード・アイランド州とニュー・ブランズウィック州を結ぶ橋. 非常に巨大な橋で,ぼけ〜とそれを眺めていると,とうとう旅も終盤か….といった 感情が沸いてきた.

 さて,4時間程度かかるこの移動.PEIを出てしまえば,あとは特になにもない. 景色を楽しむにしても,ずっと高速道路を走るので,たいして興味が引かれるものはない. つまり,寝るだけ.目を閉じて,もう一眠りするかと思ったのはいいのだが,とんでもない問題に出くわした.

 トイレに行きたい.マクドナルドで朝マックにマックロブスター,共にセットで頼んだのが いけなかったようだ.くそ,こんなところでマクドナルドに逆襲されるとは…. 恐るべき仕打ちである.

 不思議なもので,一度トイレに行きたいと思ってしまうと, それが頭から離れない.何か別のことを考えようとしても,自然に トイレが浮かんできて,下半身が訴える.かなりやばい状況だ.

 とりあえずは,音楽を聞いていたので,それに集中しようとした. そして,これは上手くいったのである.徐々に音楽にのめり込む. だがしかし,そこには罠があった.

 自ら考えてしまったのである.おぉ,これはいい感じだ. これならトイレなんて考えずに済むと.…人はこれを墓穴という. その瞬間から,全ての努力が無と消えたのであった.

 こうなれば,一刻も早くトイレに駆け込みたい.その願望しかない. しかし,サービスエリアなんてものは微塵も無く,また頼みの綱である ガソリンスタンドもかなりの間隔でしかない.

 けっこう我慢していたのだが,これはもうムリ!と感じ,運転手に トイレに行きたいと告げようとしたそのとき,奇跡が起きた. 高速道路を降りたのである.

 眼前に広がるは数日前に見た光景.そしてシャトルバスは,Subwayの前で 止まった.そう,行きにもよったあのSubwayに再び来たのだ.天の助け. 車が停止し,運転手がドアを開けた瞬間,トイレに駆け込んだのはいうまでもない.

 用を足し,ホッとして店を後にした.もちろんここで,再びコーヒーを買うなどという 思いは浮かばなかった.もうハリファックスまで止まることはないのは, 行きがそうだったことから,容易に想像できるし,何よりもうコリゴリだ.

 Subwayを出発すると,今度はしっかりと眠りにつけた.気づけばハリファックス. このシャトルバスは,PEIでは決まった場所にしか降ろしてくれないのだが, ハリファックスでは宿先まで送迎してくれる.そんなわけで,順番が来るのを待っていた.

 乗客は次々と降りていき,結局僕たちは最後になった. 別に問題はなかったのだが,友人Sがトイレに行きたいと嘆いていおり, 彼にとっては大問題だったようだ.

 そして,ついに宿に到着.場所は厳密にはハリファックスではなく, その対岸に位置するダートマス(Dartmouth). ハリファックス初日に予約しておいたB&Bは,綺麗で嬉しい.

bed and breakfast
ベッド&ブレイクファースト

 オーナーは非常に気さくな方で,これまた嬉しい.チェックインをすませ, 荷物を置きに部屋にはいる. ついたのは4時過ぎだったと思うが,このまま宿に引きこもるのは 時間がもったいない.そこで,ハリファックスに行くべく,外に出た.

 

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