2007年5月30日

歌舞伎

暑い.

日中は30度近くにもなる.

あと数日は日本でいうところの
夏日と言うやつの予想.

とけてしまう.

さて,日本にいたとき,
歌舞伎を見に行ってきた.

歌舞伎!?

という人もいるだろうし
実際のところ,見にいこうなんて
考えてもいなかった.

考えてもいなかったのだが,
見に行かない?と誘われてみれば
おぉ,そんなもんもいいかも,とか思ってしまう.

なにせ伝統芸能.

日本人として歌舞伎に親しむというのは大切であり
また,日本独特の演劇でもある歌舞伎は,世界的にも有名.

今まで1mmたりともみたことはないけれど
これはいい機会.見てみましょうということで
見に行ってきたのだった.

ちなみに,席は一番安い席.

2500円.

この上が4200円で,そっちでもいいかなぁとか
思ったのだが,すでに売り切れ.

実のところ,2500円の席も売り切れていて
あとは10000円を超える,と友達に言われて
一万円はきついなぁと思っていたら,運よく2500円のチケットが
手に入ったのだった.

場所は,新橋演舞場.

地下鉄,東銀座駅から徒歩5分とかきいていたのに
駅を出たら,目の前になんやら歌舞伎っぽいものがみえて
うん?ここか?と勘違いして,場所を思いっきり間違え
開演直前に駆け込んだのはここだけの秘密だ.

ちなみに東銀座駅付近のは,歌舞伎座というらしい.

1つの駅周辺にそんなに演舞場なんてないだろう
とか思い込んでいたためにおきた悲劇で
今後行く予定のある人は気をつけてください.

さてさて,歌舞伎.

先にも書いたけれど,まったくもって
真面目に見たことはない.

今までめちゃくちゃ興味があったわけでもないので
説明用のイヤホンを借りた.

で,これが大助かり.

イヤホンがあるとないとでは,まさに天と地の差.

全てを現代語訳してくれるわけでもないのだが
かいつまんで重要なポイントをわかりやすく説明してくれる.

特に状況説明や裏話なんかは,知っているのとないのとでは
歌舞伎を楽しめるかどうか大きな違いとなってくるわけで
始めていく人はゼッタイにイヤホンを借りることをお勧めする.

で,肝心の内容なのだが,2幕あって
1幕目は,三笠山御殿.2幕目は,法界坊.

時間は途中休憩を3度挟んで,
16時から20時45分まで.

友達曰く,これは長い,とのこと.

通常は16時半から始るそうだ.

してみて,内容なのだが
イヤホンをつけていたにもかかわらず
一幕の三笠山御殿はよくわからなかった.

失敗は時間がなくてパンフレットの概要を
読んでいなかったことだろう.

なにせパンフレットなんてものは
全てが終わったあとに,その存在に気がついたのだから….

時代は蘇我入鹿や藤原鎌足の時代.

蘇我入鹿を倒すためのお話
といっても,“真面目”な話じゃなくて
完全なフィクション.呪いというかそんなもんがでてくる.

で,まあ,今はパンフレットがあるから
その内容がわかるし,あぁ,そうか.ともなるのだが
見ている最中は,ホントさっぱりとわからなかった.

いうなれば,小難しい洋画を見る感じ.

イヤホンという秘密兵器が僕にはあるし
いちお日本語を話しているはずなので
多少(ホントにごくわずか)はついていける.

ついていけるのだけれども,でも,
見終わったあとは?が残った.

その場面場面はわかるんだけど
全体の流れがさっぱりとわからなかった.

元々このお話はめちゃくちゃ長いらしく
今回はその一部分.

現代の長編ドラマの一部分だけ見ても
全体がわかるかといえば,そんなわけもなく
あっさりと撃沈したのだった.

とはいえ,各場面はイヤホンの力を借りて
何をしているかはわかるし,初めて歌舞伎の世界に
触れたこともあって,寝ずにすんだ.

一幕が終われば30分の休憩.

そこでお弁当を広げている人がたくさんいたが
思ってみれば,これこそ幕の内弁当というやつだ.

おぉ,幕の内べんとう~
という感動も一入.

ちなみに僕が食べたわけじゃない.

休憩中は第二幕の解説がイヤホンで流れてきたので
ひたすらそれをきいて,第一幕目のまったくわからない
という状況をつくらないように努力努力.

そのかいあってか,法界坊のほうは
それなりにわかった.

重要なのは100%わかってはいないということ.

やっぱり洋画なのだ.

わからないところは,想像力を思いっきり
働かせないとどうにもならない.

でも,この法界坊は面白かった.

話としては決して愉快な話ではないと思うのだけれども
様々なユーモアがちりばめられていて,それが楽しい.

もちろんこのユーモアも,イヤホンの解説なしにわかるものと
解説があって初めてわかるものの2種類がある.

ホントは解説なしに全てを流れのまま楽しめたらいいんだろうけれど
それはかなりの熟練が必要だと思う.

話の内容だけでなく,当時のバックグラウンド,歌舞伎の常識
などといったものを全て知り尽くすなんて,これは奥が深すぎる.

4時間45分という演舞だったわけだが,
けっこうなんだかんだいって楽しめた.

これはもう1度,歌舞伎を見てもいいなぁ
と思うほどだ.

でも,1ついえることはある.

テレビで歌舞伎を見てはゼッタイに寝てしまうということ.

副音声で解説があろうがなにがあろうが,
テレビで見るもんじゃないと思う.

生で見て,初めて,歌舞伎というものを
楽しめる.

あの雰囲気,そして世界.

歌舞伎というものは素晴らしい.

次は能にでも挑戦しようかしらん.

投稿者 カズ : 18:40 | 雑記

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