2006年3月19日

Halal

ウィンザーには中東出身の人々も
多く住んでいます.

ウィンザーというか,カナダ全体に
いえるような気がしなくもないですが.

とにかく,そんなわけで
レストランから雑貨屋さんまで
中東系のお店もいろいろあります.

大学の近くにもレストランはあるのですが
まだいったことがありません.

つーか,入りにくいのですよ.
いつみても中東の人しかいないのです.

人がいるということは,まずくはないのでしょうが
一歩踏み出す勇気がいりますよね.

ただ中東系の料理は食べたことがあります.
インド料理….

とかいうと怒られそうですが,
友達がごくたまに奥さんが作ってきたといって
おすそ分けをしてくれたりします.

んで,その感想というと
正直僕はめちゃくちゃおいしい!とは思いません.

これは決してこの友達の奥さんの料理の腕が
悪いとかではないです.

レストランに行っても思うのですが
なにか一つ物足りないような気がするのです.
おいしいのだけど,ぼんやりとした味付けというか
そんな感じです.

さて,このレストラン.
前々からちょっと気になっていたのが
その看板です.

看板の文句は三行あり,
一番上は, ○○ restaurant.
その下にHalalとあり,さいごに中東料理,カナダ料理とあります.

んで,このHalalってなんだ?
と疑問に思ったんですよ.

漠然と料理の種類かなんかかなと思っていたのですが,
阿川弘之の食味風々録を読んで,その謎がとけました.

つーか,疑問に思ったなら辞書を引けという話ですが,
三歩歩けば忘れる人間なので,家なり大学に着くと
その時点ですっかり忘れていたのです.

まずは辞書の説明から.
リーダーズによると“イスラムの律法にのっとって
動物を食用に屠殺すること,またはそのようにして
屠殺された肉”とあります.

これでわかったでしょうか?
もうちょっと噛み砕いた説明があるので
食味風々録から引用します.

“ハラールというのは,牛や羊,鶏の頭を
聖地メッカの方へ向けて,アラーの神に祈りをささげつつ,
頚動脈を断ち切る宗教的儀礼である.
こうして血を出し切った獣肉だけが,回教徒の食べていい
お浄め済みの獣肉で…”

また,この本によると
“味のよしあしより,コーランに示された儀式と
禁忌事項を守るほうが大切なんです.こんな厄介な
手間をかけてお祓いした牛肉が,旨いわけありませんから…”
ということらしいです.

つまり,このハラールかどうかというのは
イスラム教徒にとっては重要な要素になるわけですね.

例のレストランに中東系の人ばかりだったのは
同郷というわけだけではなさそうです.
イスラム教という宗教が関連していたのです.

と,ここで日常生活を思い出してみます.

イスラム教徒の友達がその友達と
どこどこのお肉屋さんがいい!といっている
会話を聞いたことがあります.

そのときは,肉なんてたいして変わらないだろう
と思っていたのですが,このハラールということを
知れば,その謎は解けます.

ためしによく行くスーパーの近くにある
お肉屋さんの看板を見てみれば,Halalの文字がありました.

そして,買いに来ている人は中東系の人が多いです.
よく見たら看板には牛や羊の絵はついてましたが
豚の絵はありませんでしたし.

スーパーで大量に買えば非常に安く
手に入れることができるのが,肉類です.

しかし,お肉屋さんも街中でしばしば見かけ
なぜなんだろう?と疑問に思っていたのですが
イスラム教徒がいるかぎり,彼らの商売は成り立つわけですね.

実のところを言うならば,まだこのハラールという
言葉の意味を知る前に,一度このお肉屋さんにも
行ってみたいという思いがありました.

というのも,日本でのお肉屋さんといえば,
それなりに安かったり,独自の味付け肉が
売ってたりするじゃないですか.

それに,お肉屋さんのポテトサラダが
なによりも好物だったからです.

ただここでも,客の大部分が中東系出身の人で
なかなか足を踏み出せなかったのですが.

さらに興味で行ってみた友人の一人(イスラム教徒じゃ
ありません)が,サラダが痛んでいたともいってましたし.

食味風々録を読む限り,このHalalという看板がない
ほうが美味いものを食うことができそうです.

手間をかけてあるということと,イスラム教徒は
スーパーで買うことはなく,ゼッタイ的な需要がある
ということを考えると,やや高いと予想することもできますしね.

とにかく,一つ勉強になりました.
ハラール.知っておいて損はないと思います.

投稿者 カズ : 23:25 | 留学生活

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