2006年12月30日
St. Jacobs
トロントに行った帰りに寄ろうという
ことになった町は,St.Jacobs(セント・ジェイコブス)
という町.
Kitchener(キッチナー)の近くにあるこの町は
Mennonite(メノナイト)の町として知られている.
で,メノナイトとはなんぞやというお話になるのだが
僕の持っている英和辞典によれば,
“16世紀オランダの再洗礼派の流れを汲むプロテスタントの一派.
指導者 Menno Simons にちなむ名称で,教会の自治,
兵役拒否などを特徴とする”だそうだ.
正直な話このメノナイトていうのはよくわからんのだが
たぶん似たような存在でAmish(アーミッシュ)というのがあって
その説明は→こちら
再洗礼派ってのはなにかというならば,広辞苑によると
“幼児洗礼の無効を唱え,成人洗礼を提唱・実施し,
真に聖化された信徒の自覚的共同体たる教会を追及”
とのこと.
よーするに強制的に子どものころにキリスト教徒になったわけじゃなくて
大人になったら自分の意思でキリスト教徒になった人たちのってわけだ.
このセント・ジェイコブスには19世紀初頭にやってきたそうで,
交通手段は馬車を利用したりとその当時の質素な生活を
守って暮らしているそんな町だそうだ.
なんともおもしろそうな雰囲気が漂っているわけだけど
彼らにしてみれば,見世物ではないわけで,おぉ珍しいと
写真をバカバカととるのは失礼に当たる.
が,これが現代の難しいところであって,
彼らは外界と接触を拒んでいるわけではない.
すなわち現金収入というのはやはり重要であって
観光としてお金を稼ぐ必要があるために,なんとも
複雑怪奇な状態となってしまう.
さて,道に迷いながらもなんとかセント・ジェイコブスに
やってきたわけだけど,その場所がよくわからない.
なんか矛盾しているが,これは
立て札ではセント・ジェイコブスとあるが
ちっともそれらしくないという次第.
つまり,僕らの頭の中には
馬車がパカパカと走っていて
服装も現在の洋服とは違う人たちがあふれていて…
という感じ.
これは日本にちょんまげ結わえた侍がそこら中に
いるという幻想を持った外国人と同じようなものなんだろう.
最初に行ったところは,車があふれていて
ちっこいけど普通の町だなぁという感じがしたので
友達と二人でここは違うんじゃないかということで
車を走らせた.
したらば,でっかい農場に家がポツポツあるだけ.
ここもなんか違うなぁと思っていたら
…なんかいたぁ!!というわけで,
見てみれば,馬車に乗ろうとしている黒服の男性陣.
ここだ.ここに間違いない!と興奮状態で
道を走っていくと,今度は歩いている少女の集団に遭遇.
全員,スカーフを被っていて
なんとも歴史ある服装をしていた.
おぉ.というわけで興奮は最高潮に達したわけだけど
どうもおかしい.
つまり町のダウンタウンがわからない.
男性陣は農場の一角にいたし,
少女達は普通に道を歩いていただけで
他に店もなければ,だいたい人も他にいない.
したらば,地図を見るかと,地球の歩き方を見てみるならば
さっき行ったその普通の町だなぁって思ったところが
ダウンタウンらしいことがわかった.
やっぱりあそこか…と肩を落としながら
ダウンタウンへ向かい,食事を取った.
しかし,これは幸運であったといえるかもしれない.
つまり,(たぶん)本物のメノナイトを見ることができたわけだし
それに,なにより,この日はクリスマス・イブの日曜日.
敬虔なクリスト教徒の町というだけで,日曜日はなんも
やっていないのでは?という恐れがあったのに,
それがクリスマスイブとなった日には,もう最悪何一つ
開いていないんじゃないかという危機もあったのだ.
で,テキトーにレストランに入り,
ちょうど日曜日はバイキング形式の料理しかないといわれたので
お腹いっぱい食べることに.
さてさてメノナイトの町.
彼らがなにを食べているのか?というのは
非常に気になるところであって,できれば
同じものを食べてみたいという欲求は当然のごとくでてくるわけだ.
そこで,ウエイトレスのおばちゃんが来たときに
ここの名物っていうか,みんなは何食べたりしてるの?
というようなことをきく.
したらば,返事は,ターキーやジャガイモ,ソーセージは
ここで取れた(作った)やつだから,食べてきな~
ということを教わったので,クリスマスだしということで
ターキーを中心に,サーモン,海老,ラザニア,ジャガイモのスープ,
ソーセージ,マッシュポテトなんぞを頂く.
どれもおいしく,お値段もまあまあ.
大満足したので,町をぶらつくかとぶらついてみるも
15時にはどこも閉まってしまうようで,けっこうギリギリの
町の散策.
少々お店も見てまわることができたし
お土産にポストカードなんかも購入できたのだが
やっぱりというかなんというか,これがメノナイトの町
といわれても全然そんな感じがしなかった.
1歩ダウンタウンを離れれば,閑静な住宅街が広がっていたりするし
あまり人数もおおくないのかもしれない.
が,やはりメノナイトは存在するわけで
普段は馬車も走っているのだろう.
交通標識もちゃんとあったしね.
たぶん二度といくことはないような気がするが
面白かったといえば面白かった.
期待しすぎていたという面はあるけれど
それでも実際にこの目でメノナイトの町を
みれたのは大きな経験になるのではないだろうか.
ちなみに,セント・ジェイコブスのダウンタウンには
インフォメーションセンターがあるけれど
改装かなんかで4月までお休みという表示があった.
行く人は気をつけてください.
投稿者 カズ : 23:23 | 留学生活