2007年9月17日

比抵抗探査

地球物理学巡検中に僕が担当していたのは
比抵抗探査と呼ばれるもの.

比抵抗探査とはなにかといえば
大地の比抵抗を測るわけだ.

…全然説明になってないのは百も承知.

詳しいことはwikepediaに任せることにして
あまりここではつっこまないでおこう.

って,あれ.
今回の内容は,マニアックかつごちゃごちゃしてるので
気合をいれて読んでください.

地球に関していうと比抵抗は
物性の中で最も幅広い値を示すパラメータの
1つといえたりするわけで,大地の比抵抗分布が
わかると,これがなかなか面白いのである.

単純に考えて,水があれば抵抗が下がるので
低い部分があれば,そこは地下水がある.
とか,あとは鉱床があるとか,いろんな調査ができる.

実際にやることといえば,
電極を等間隔に地面に刺して行き
ケーブルと繋げたら,あとは電源をいれて
動作させるだけ.

基本的に比抵抗探査というのは
4本の電極を使うわけだが,
今回の巡検ではContinuous vertical electrical sounding(CVES)
というシステムを使っていて,これがなにかといえば
上に書いたとおり,等間隔に電極を事前に地面に刺しておけば
コンピュータが自動的に電極を選択して測定していって
くれるという超ハイテクシステムなのだ.

と,ぐちゃぐちゃ書いたけれど
やってることは単純で,4本の電極を用意して
外側の電極2本は電流を流す電極.
内側の電極2本は電圧の差を測る電極.
(Wenner方式)

入れた電流値はわかっていて,電圧を測るから
オームの法則で抵抗がわかるという仕組みだ.
(ホントはそこに電極間の距離が入る)

が,ここで測った値は,見かけの比抵抗値であって
なにかといえば,地球内部が均一との前提があっての値.

もちろん実際はそんなことないから
Inversion と呼ばれることをやって
実際の値と各層の厚さに近づけるというわけだ.

で,このCVESで行なうと大量のデータが
手に入るため,およそ手作業では不可能な状況.

パソコンにデータを持ってきて,
ソフトにいれて,ボタンをポン.

美しい断面図が出来上がるというわけだ.

まあ,なんていうか,わかりにくい文章だ.

比抵抗探査についてまとめたパワーポイントを
ここで公開してもいいのだが,残念ながら英語.

日本語に直す気力もなにもないので
興味がある人は比抵抗探査でググるなり本を読むなり
してくださいな.

で,そんな比抵抗探査.

調査する場所に着いたら,
まずは簡単な説明を学部生の子達にする.

この授業を担当しているUniversity of Western Ontarioの
教授が,事前に巡検に際して簡単なまとめを作ってみんなに配っていたのだが
比抵抗探査の項目だけ綺麗さっぱりと抜け落ちているという
嫌がらせを食らったので,比抵抗探査の簡単なまとめと
実際になにをするかを説明した.

したら,グリッドを作って,電極を地面に打ち込んで行き
ケーブルをセットして,装置の電源を入れ,いろいろ設定したら
測定開始.

簡単にグリッドをつくれる場所かどうかという問題もあったが
だいたい1時間ほど測定開始までにかかった.

測定自体は20分程度.

測定の間に次の測定の準備をしたり,前の測定の
後片付けをしたりして時間短縮.

また時間があれば,その場の地質をメモするとか
そういったこともする.

この地質をメモするのは重要で,
なにせ比抵抗分布がわかったからといって
それがどの岩石かまったく予想ができなかったら
実際とは程遠い解釈もできてしまうわけで
地質がわかってないと始まらないのだ.

測定が終わったら,トータルステーションを使って
測地をして,残りの後片付け.

だいたい13時半から14時半ごろには終わったので
そこでキャビンに帰り,遅い昼食を取るのだった.

投稿者 カズ : 23:53 | 留学生活

コメント

へぇ〜〜〜!!!おもしろい〜〜!!もっとかいてー。

投稿者 わるもの : 2007年9月18日 10:33

どーもありがとーございます.
あんま深く突っ込むと,どんどんマニアックな方向に
進んでしまうんですよね.…どうしよう.
とりあえず時間があったら,なんか考えてみますね~.

投稿者 カズ@管理人 : 2007年9月18日 23:42

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