2008年1月26日

阿房列車

今日は土曜日.

外は-4度ぐらいとそれほど
寒くないこともあって,
お買い物にいってきた.

よく考えたら,
今年初めてのお買い物.

ホントは先週行ってきたかったのだが
風邪をひいてぶっ倒れていたので
細々と家にあるものを食べてしのんでいたが
さすがに野菜がないのはしんどいので
買いにいってきたのだった.

と書いていたら思い出した.

ほうれん草を買ってこようと
思っていたんだ.

すっかり忘れた.

…また今度だな.

さて,久々に本を読んだ.

内田百閒の阿房列車.

去年日本に帰ったときに
買ってきたのだが,気が付いたら
はじめの数ページを読んだだけだった.

というわけで,ちょっと読んだ.

内容はというと,列車での
気ままな旅を徒然なるままに
書いたものといえばいいのだろうか.

行きの目的はまったくなく
あえていうならば列車にのること.

帰りの目的ははっきりしていて
家に帰ること.

今日は,特別阿房列車と
区間阿房列車の項目を読んだのだが
これがおもしろい.

時代的な背景をいうならば
昭和25年(から昭和30年代)のお話.

当然のごとく新幹線なんて走っていない
JRがまだ国鉄と名乗っていた時代のお話である.

作中で,売り子がバナナを持って
車内を歩いているというシーンがある.

百閒は,食べたいのだが,買わないという
独自の美学を発揮し,こらえるわけだが
この描写が意外であり,そしておもしろい.

現在,車内販売でバナナを見かけることは
あるだろうか?

冷たく冷やしたバナナ.

たしかに美味い.

が,車内販売で買うようなものでもないし
だいたい売っていた記憶がない.

それが,この時代では
売っているのだ.

現代ではありふれているバナナが
少々上流の雰囲気をかもしだしている.

そのバナナを買うか思案しつつ
いやバナナに限らず車内で食べるのはお行儀が悪いといい
目の前を行き来するのを眺めるだけに.

まあ,お行儀が悪いという理由以外にも
もう1つ理由があるそうで,それは
後でお酒をうまく飲もうという算段だそうだ.

つまるところ,帰りの電車で買っているのが
おかしいところ.

結局,買うのかよと突っ込んでしまう.

何気ないやり取りの何気ないしぐさが
おもしろおかしく,なにも目的がないその旅が
ワクワクしてくる.

今からだいだい58年前のお話.

もちろん古臭さというのはあるのだが
それが心地よい古臭さなのだ.

まだ20代半ばの兄ちゃんが古き良き昭和なんて
どの顔して言っているのか?と怒られてしまいそうだが
なんともいえない楽しさがこみ上げてくる.

紀行文学ってのは時代にかかわらず
今読んでる自分がワクワクしてくる.

やっぱりいいもんだ.

…ここまで書いてなんだが
いま読み返してみて気が付いたことがある.

今日,雑記で書こうとしていたのは
もうちょっと違うことだったんだけどなぁ.

阿房列車の区間阿房列車でのことを
と考えていたのだが,寄り道がすぎた.

まあ,こんなもんだ.

投稿者 カズ : 23:10 | 雑記

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