2009年2月12日

世界

世界というのは広いようで
案外狭かったりする.

例えばお隣の大学で地球科学をやっている友達が
僕の富山時代の後輩を知っていたりしたときには
びっくりしたものだ.

かみさんの弟さんが日本で
同じ大学に通っていたというのも
びっくり.

学部も学年も異なるので
一緒の授業はとったことはないだろうけれど
僕が富山にいたときと弟さんがいたときが
かぶっていたりするので,もしかしたら
どこかですれ違っていたかもしれない.

どこかしらで繋がっているもんだなぁ
とそのたびにしみじみと思うのだが
そんな出来事が今日,再び起こった.

それは,アパートを探している最中のこと.

ネットで見つけたアパートに電話をして
まだ部屋が空いているかどうかたずねる.

幸いにも空いていたのだが,そこの大家さんは
人を選ぶらしく,というのも,できる限り
院生に借りて欲しいらしくて,いろいろとまでは
いかないけれど,2つ3つ質問があった.

ちなみに院生がいいというのは
なんとなくわかる.

つまるところ,高校を卒業したての
親元を離れてテンションがあがっている学生さんに
部屋を貸したくないということだ.

全員が全員というわけでもないけれど
英語でいうところのkids.日本語ならなんだろう.
若者とでもいうべきか.汚い言葉なら,ガキだろう.

別にそれが悪いとは思っていないし
彼らには,もうすでに僕にはないエネルギーが
満ち溢れている.

大学生活を心底エンジョイするだろうし
しようとしているそんな人たちは
もうおっちゃんの僕から言わせてもらえれば
羨ましくもあるのだが,しかし,騒がしい.

限度を知らずに,毎週のごとくパーティー.

しんみりとまったりと飲むのではなく
まさにパーティーという言葉がぴったりのパーティー.

本人達は楽しいだろうし,若者だからしょうがない
と思う人もいるかもしれないけれど,
ご近所はたまったものではない.

当然,苦情は大家さんにもいくだろうし
いざこざの原因にもなる.

それを避けるために,院生
(もちろん騒ぐのが好きな院生もいるけれど
若さ故の暴走気味なものは体力的にもしんどかったりする)
を選ぶわけだ.

あとは話してみて,実際どんな人なのか
ということを調べるんだろう.

で,幸いなことにも僕は院生だ.

なので院生で地球科学をやってますよ.
と伝えると,地球科学!?へー.面白そうだね.
というような返事が.

その後は,どれぐらいの期間を借りる予定か?
などの話をして,最後に,そういえば地球科学やっているんだよね.
○○って方はごぞんじ?ときかれた.

○○.別に伏字にする必要性もないけれど
そこにはききなれた名前が.

うちの教授だ.

もちろん!指導教授です.と答えると
向こうも驚いていたが,そのときはそこまで.

ちょっといま忙しいので,後でこちらから電話をします.
そのときにいつ部屋を見るか決めましょう.
といわれて,電話はきれた.

幸いにもどうやら怪しい人間とは思われなかったようで
無事に電話はかかってきて,今日,部屋を見に行くことになった.

で,部屋をみたついでに,うちの教授を知ってるなんて
驚きましたよ.というと,そうね.といって
知っている理由を教えてくれた.

その理由にまた驚いてしまったのだが
なんと,僕はその大家さんの娘さんに会ったことがある.

その娘さんの旦那さんにも会ったことがあるし
旦那さんのご両親にもある.

旦那さんのお父さんには会ったことがあるというか
ほぼ毎日会っていて,ずいぶんとお世話になっている.

この人なしでは僕の学生生活は成り立たないといっても
過言ではない.

そう,そのお父さんってのが,教授だ.

つまり,大家さんの娘さんと教授の息子さんが
結婚しているというわけだった.

いわれてみれば,ずいぶんと娘さんと似ている.
もう話し方とかそっくりだ.

全くもって知らなかったのだが
なんていう偶然なのだろう.

その後,大学に戻って教授に話をしたところ
教授も驚いていて,世間ってのは狭いねと
なったのだが,これはけっこういいことだ.

つまるところ,大家さんは僕が
怪しい人間かどうか判断の基準が一つできたということ.

僕とは面識がないけれど
娘の旦那のお父さんの学生となれば
多少はまともなイメージとなるだろう.

で,僕もこの大家さんがどんな人なのか
教授からきくことができた.

きちんとした人なのか.
それとも,家の手入れなどまったくしてくれないような人なのか.

大家さんの当たり外れはけっこう重要で
たとえ値段が安くとも,なにかトラブルが起きても
重い腰をあげることなく,自分でなんとかしろ.では困る.

で,それを知るのはなかなか難しい.

この時期だと僕は
アパートの周りの除雪がされているかどうか
チェックしたりする.

あとはゴミなんかも一つの目安になるだろう.

たいていアパートの脇にはそのアパートの共同の
ゴミ箱なんかがあり,それがいつまでたっても
山盛りのまま.毎週きちんとゴミを出してないとなると
ちょっと…となる.

ただそんなことをチェックしても限界はあるし
やはり実際に入ってみないとわからないという部分がある.

1度入ったら,なかなかすぐには引越しとはいかないし
もし大家さんがきちんとしてない人だと,家がストレス解消とは
真逆の場所となってしまう.

その判断の一つとして,そこに住んでいる友達など
その大家さんを知っている人にきいたりするわけだけど
それもなかなか難しい.

が,このアパートの場合,そんな人が身近にいたとなるわけだ.

教授曰く,すげーいいとはいわないけど
いいと思うよ.とのこと.

それで十分だ.

まだこの人のアパートを借りるかどうか
決定はしてないけれど,今のところ第一候補.

それにしても,まさか
アパート探しをしていて教授の名前をきくことになるとは.

世界ってのは広いようで
案外狭いのである.

投稿者 カズ : 22:05 | 雑記

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