2009年3月25日
甘酒
普段の大学生活は遊びの合間に研究を
モットーにしているのだが,今週は
完全に逆転というか大学生らしい生活をしている.
というのも,学会発表のための
スライド作りがほぼ終わり,あとは
練習あるのみとなったから.
1日中練習というわけにはいかないし
そんなにやる気もない.
スライド作りが終われば次はなにかといえば
新しい研究の準備.
試料整形だ.
クリスマス前に一つのプロジェクトの
試料整形を終わらせていたのだが,予定が変更し
それは後回しに.
もともと後回しにする予定のものを
やっぱり先にやりましょうとなった.
岩の塊から古地磁気測定用の試料を作りだす.
このパートは正直言って全くもって面白くもないのだが
これをやらないと始まらないのでしょうがない.
どうせいつかはやらなくてはいけない試料整形.
さっそく始めたのはいいけれど
始めたからには中途半端には終わりたくない.
そうオーストラリアでの1週間の学会.
これを挟んでの試料整形は
2つの理由で避けたいところ.
1つは,もう単純にたいして好きでもない
試料整形をそんなに長いことやりたくないということ.
オーストラリアから帰ってきて,また試料整形か
となると一気に萎える.
そして,もう1つの理由.
これはもう少しまともな理由で
時間的なこと.
通常,古地磁気試料は試料整形後
磁気シールドルーム内に最低でも1週間は放置しておく.
これはVRM成分をなくすためなのだが
その間は特に何もする必要はなく,
放置しておけばいい.
どうでもいいようでけっこう重要なプロセスで
試料整形してすぐに測定開始というわけにはいかない.
つまり,オーストラリアに行ってから
また試料整形をしていたら,時間がもったいない
ということだ.
オーストラリアに行っている間
カナダでできることはない.
ないが,試料を放置することはできるわけで
まさにぴったりの状況だ.
そんなわけで,試料整形をオーストラリア出発前に
終わらせようとしているのだが,これがなかなかしんどい.
あまりの忙しさに夕食を取る時間をつくのがもったいない.
結局のところ家に帰る23時過ぎまで
食べずに過ごすわけだが,ここで問題.
2時間もしないうちに寝るのに
夕食をとる必要はあるのだろうか.
なんだか食べても腹の肉になるだけで
あまり有益とは思えない.
全くもっての素人考えなわけだが
本来あとは寝るだけの夕食は軽くていいはずである.
お腹の減りの限界は超えているので
それほど空腹感も感じずにいるわけだが
なんだか今日は微妙な感じ.
どうしようと迷って
日本から持ってきた秘蔵のものを
マグカップに入れた.
甘酒.
技術の進歩というのは
すばらしく甘酒のフリーズドライ
なんてものがある.
軽いし,日持ちはするしで
日本のスーパーで見かけた瞬間
購入を決めたものだ.
中身をカップにいれ,お湯を注ぐ.
その瞬間,あの甘酒の香りが
ふわっと鼻をくすぐる.
これだ.
疲れた体に必要なのはこれだ.
フゥフゥしながら口に入れれば
たしかに甘酒の味.
もう少し酒かすの味が強いほうが
好みだが,カナダの地で甘酒を
飲めるだけでも贅沢といえるだろう.
日本にいたときからそれほど
頻繁に飲んでいたわけでもないし
飲むのは年末年始に地元のお祭りがあるときぐらい.
年に数えるほどしか飲まない甘酒だが
その香りは確実に体が覚えていて
のんびりとリラックスモードに入っていく.
まったりゆっくりと甘酒片手に
寝る前のひと時.
日本じゃ考えもしなかったけれど
寝る前の甘酒というのはなかなかいいんじゃなかろうか.
少々砂糖が気になるけれど
ラーメンなどを食べるよりははるかにましだし
温かく甘いそれは体を温めリラックスさせる.
アルコールが欲しければ,
日本酒でもいれれば,それはそれでおいしい.
こう考えるとけっこう
ありだなと思えるが,悲しいかな
ここはカナダ.
甘酒はもちろん酒かすなんてものを
見たことがない.
甘酒の晩酌.
いつか日本に帰ったときの
楽しみにとっておくことにしよう.
投稿者 カズ : 23:38 | 留学生活