2009年3月29日

異なる視点

先々週のラボ.

課題の締め切りは先週の木曜だったのだが
その1日前に学生の一人からメールが来た.

すいませんが,プリンターが壊れて
プリントアウトできないんです.
学生証もなくしてしまって,大学でプリントアウトできないし.
提出が遅れてもいいですか?

別に構わないけれど全ての学生にとって
フェアではないといけない.

こういった場合は,1日ごとに10%の減点で
受け付けることにしている.

ただし,翌週には採点したものを
学生さんに返すので,それ以降は受け付けない.

というか,1週間遅れた時点で70%減点されてるわけで
もうあまり提出しても意味はないだろう.

というわけで,1日当たり10%の減点などの
条件を伝えた.

その後,土曜日にその学生から
再びメールがやってきた.

ラボの課題を解くにあたって
必要なデータを送ってくれませんか?

…うん?プリンターが壊れてて
プリントアウトできないだけじゃねーのか?
データがないってどういうことだ?

と思いつつ,そこはせめてもしょうがないので
データを送った.

送ったのだが,返事がこない.

届きました.などの返事をだしてほしいが
それを求めるのは間違っているのかしらんね.

まあ,しょうがないか.

さて,試料整形.

馬車馬のように働いていていることもあり
なんとかオーストラリアに行く前には
終わりそうなのだ.

ラボやセミナー以外の場合は
ベースメントにある部屋に篭って
作業をしていることもあり,ほとんど
人と接していない.

学会発表用のスライドも
あとは練習を残すのみとなって
さらに教授用のスライドも作り終えている.

そんなわけで教授ともあまり
顔を合わせる機会がなかったが
金曜の午後,作業中に教授が見に来た.

別に拒む理由もないし
悪いことしてるわけでもない.

挨拶しつつ,いまどんなところまで
きているか説明.

どうやら教授の予想以上だったらしく
いいね.すごくいい感じで進んでるじゃん.
といってもらえた.

これからも頑張ってね.
といって教授は去っていったが
17時ごろ.

再び教授が登場.

(教授がされていた)論文の整理もようやく終わったし,
それに試料整形もいい感じにきてるから,飲みにいこうや.

はい.

と二つ返事なわけだが
実際のところはもう少し整形を続けたかった.

疲れていることもあり,寝不足の日々なので
ビール一杯でできあがるのは間違いない.

飲めば確実にその後は仕事ができなくなる.

頭の中での計画では今日は23時過ぎまで
ひたすら試料整形をやるつもりだったわけだが
しかし,教授がせっかく誘ってくれたのだ.

断るのもどうかと思うし
断る気もない.

ポスドクの話や景気の話などを
することができ,飲みに行ってやはりよかった.

まあ,その後はもちろん
綺麗に酔っ払ったので
家に帰るしかなかったのだが.

たまには息抜きも必要だ.

ちなみに,某インターンシップについても
もう1週間ほどまえのことだしと話してみた.

笑いつつ,ありえないね~
とそんな感じだったのだが
なかなか興味深い話がきけた.

それは一つに大学のレベルに関して.

国によって平均的な大学のレベルが異なるのは
もちろんなのだが,それがあまりにも
ひどいケースがある.

国ごとの教育レベルを調べることができる
ホームページがどっかにあったが
ちょっと見つからないので,紹介するのはまた
別の機会として,明らかに北米の大学で
修士をとるのにレベルが足りないことが
あるそうだ.

こうなると学部のコースを取ってもらったり
しなくてはいけなくなるのだが,その場合
もちろん研究は遅れていく.

研究の遅れは研究費の問題に
直結していくので,教授にとっては
大問題とある.

たまに友達とで,自分の国の学位が
カナダで認められない…というような
話がでることがあるが,教育レベルと
それに伴う研究費の問題などを考えたら
しょうがないのかな.と思う.

もし自分が教授の立場だったら
できる限りスムーズに研究を取り組んでもらいたいので
ある程度のバックグランドがある人を選ぶだろう.

それはその学生がなにを勉強してきたか
というのもあるが,その勉強してきた
教育レベルも根本にある.

インターンシップだとさらに限られた期間で
スキルアップのためにきた学生の相手をしないといけない.

企業ならまだしも,将来自分のところに
やってくるかもわからない学生のために
自分の時間を費やすというのは,無駄とはいわないけれど
労力に見合った見返りが来ないばかりか,ヘタすると
自分の時間を失い研究が遅れる.すなわち研究費が
取れなくなる可能性を含んでいる.

この辺の考えってのは重要だと思う.

もし将来,研究職につくことができたとして
学生をとれる身分になったとしよう.

そのときに初めて学生がコンタクトをとってくれたら
なんだか舞い上がって録に調べずに,おいで,おいで.
とかいってしまいそうな気がする.

まだ将来も決まってない中で
こんな心配していてもしょうがないのだが
しかし,教授側からみた学生の基準ってのも
考えてみるとなかなか面白い.

やっぱり飲みにいってよかった.

投稿者 カズ : 20:49 | 留学生活

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